結物語 感想
西尾維新さんの本の中で、一番好きな物語シリーズの最新刊を読みました。
本編の主人子の阿良々木暦が、23歳になって、警部補として働き出した話でした。
そもそも誰が主人公の物語なのか、というほど、
物語シリーズは様々な視点から書かれているのですが。
考え方のバランスが、程よく理想論、といいますか、登場人物ごとの考えの振れ幅が面白いです。
登場人物の中には極端な考え方もキャラも出てくるんですけれど、
ちゃんとバランスをとって、妥当な結論を示されているというか、
多様な考え方を受け止めたうえで、それぞれの生き方を尊重する感覚ですね。
今回考えたのは、過去との決別の仕方、でした。
例えば、かつては仲の良かった同級生との関係、
何かと仲たがいはしたけれど、関係が生じてしまう関係、
別れては。離れたくないとまた付き合う関係、
いろいろな人間関係がありますが、
普段接する以外の関係は、自分が構築した特別な関係なんだな、
と思いました。
学校や職場があり、
定期的に集まることが確約されているからこそ、
「普通の」「通常の」「平時の」人間関係があるのであって、
それ以外の人と会ってコミュニケーションを取ろうとしたら、
「偶然」か「意図的」しかありえないのだと。
では、大人になってから、「意図的に」誰かと会おうとしていたかな、
というと、そうではなくて、きっかけを常に「求めている」立場にいました。
物語では偶然出会えるのですが、現実は「必然」でしか出会いは生まれません。
出会ったうえの話は、昔話に花を咲かせるのもいいですが、
将来の構想を話しているのが、郷愁を感じつつも、
将来を生きる上で役立つ会話になるのだなぁ、と感じました。
オフシーズンの最後、きれいに収まりすぎて感涙でした。